洋館の縦樋バンド

復元品として同素材の真鍮で鋳込みました。
真鍮は時間が経過すると固くなり割れが生じるので、本当は純銅で鋳込みたいのですが、指定が従前素材と同一なので勝手な変更はできません。

今回は鋳型、鋳込、仕上げまで自分でやりましたが、復元品の製作時代である大正中ごろは、京都の蝋型屋に鋳型は頼んでいました。そして鋳込みは近所の寺の住職が行っていました。
明治以降、鋳込みの技術は工芸として科学(文字化)され、求めれば誰でもできるようになりました。

本来は、当時のそれぞれの専門職にお願いしたところですが、すべて廃業されているので、一応現在の取引先に外注見積もり出しましたが、帳簿に残る当時の価格から物価スライドした価格帯では収まらず、仕方なく自分でやりました。

こういう細かな仕事も定期的に発注するようにして技術を蓄積しておく必要を痛感。正直商売としてはマイナスですが企業努力を惜しまない。
昔からの取引先も最近は、デザインとか伝統工芸とかバズワードを使い値打ちを上げることに必死で、昔ながらの職人気質が希薄になっているように感じます。

発注者も商売人さんも「職人」という文字におんぶにだっこで、結果、商業色の濃い職人モドキが多くなって、責任の所在があやふやで良いものが出来ない結果を招きます。

うは!懐かしい本ですね。一昔前は青焼きの原寸図案も販売されていましたし、展開図法などの文語体の本があったのを思いだしました。アメリカのブリキ製品テキストもありましたし、大正に活躍した職人さんのほとんどはインチスケールだったのも懐かしいです。古い本、探して整理します。良いきっかけになりました。